イントロダクション¶
かんばんとは何か?¶
かんばんとは、元々はトヨタがより効率よく生産するための方法論でした。(訳注:元ネタとなった、トヨタ生産方式の「かんばん」は、通常は作業指示票そのものを指す。その辺りは日本には何冊も本がある。)
かんばんは2つの制限のみを課します:
- ワークフローの視覚化
- 仕掛の制限 (訳注:元ネタでは「仕掛在庫の削減」に重点を置く)
ワークフローの視覚化¶
- 作業がボード上で視覚化されることにより、プロジェクトの概要が明確になります。
- 各カラムは、ワークフローの中の段階を表します。
仕掛の制限¶
- 複数のタスクの同時処理の回避に重点的に取り組むよう促します(訳注:元ネタでは複数の機械を使って並行作業をやる)
- 各フェーズに、仕掛の制限を持たせる事ができます
- ボトルネックの特定を助けます
- 同時にあまりにも多くのタスクを処理するのを避けるよう制限します
パフォーマンスの測定¶
かんばんはリードタイムとサイクルタイムをパフォーマンスの測定に使用します:
- リードタイム: タスクがつくられてから、完了するまでの時間
- サイクルタイム: タスクを開始してから、完了するまでの時間
例えば、リードタイムが100日であっても、実際にはたった1時間の作業で完了することもあり得ます。
かんばん vs Todo リスト¶
Todo リスト:¶
- 単一のフェーズ (アイテムのリストのみ)
- 同時処理が可能 (効率的ではない)
かんばん:¶
- 複数のフェーズで構成され、各カラムは段階を表します
- 各カラムで仕掛制限を設定することにより、同時処理の回避に重点を置きます
かんばん vs スクラム¶
スクラム:¶
- だいたい2週間か4週間でスプリントを区切ります
- イテレーション中の変更は許容されていません
- 見積が必須
- デフォルトでは測定基準に速度を使用
- スクラムボードはスプリント間で白紙化されます。
- スクラムでは、スクラムマスター、プロダクトオーナー、チームといったような規定の役割があります
- ミーティングが何度も必要: 計画立案、バックログ・グルーミング、デイリースタンドアップ(いわゆる「朝礼」?)、振り返り
かんばん:¶
- 連続的な流れ
- 随時変更が可能
- 見積は任意
- パフォーマンスの測定にはリードタイム・サイクルタイムを使用
- かんばんボードは恒久的
- かんばんは厳格な制約を課さず、ミーティングもしない: プロセスには柔軟性がある(訳注:元ネタでも順序の指示には別の方法を併用する)